美し森【山梨県北杜市】


『美し森』。
その名に惹かれて、清里の駅を降り立つ。

新宿から約2時間。小淵沢駅。
駅から八ヶ岳の山々が見える。
空はどんより薄灰色。

ここから『小海線』に乗り換え、『清里』駅まで乗車。
小海線といえば、『野辺山』駅が"日本一標高が高い地点にある駅(JRグループでの最高標高地点)”ということで有名。

シーズンであれば、臨時列車があるのだが、もう終わってしまっているのでしばらくは駅周辺を歩いてみたりして時間をつぶす。

二両編成の列車。走り出すとエンジン音が床を伝わって来る。
電車ではなく、気動車・キハ110。
国鉄時代のものではなく、JR化以降の車輛なので新しめ。
もう少し情緒を感じさせてくれるような車体なら良かったのに。

清里駅からは、周遊バス(ピクニックバスと呼ばれている)に乗り、10分ほどで『美し森』に到着。


清里駅から約30分ほどで、美し森駐車場に到着。
ここ『美し森』は、車で来れるように道、広い駐車場が整備された気軽に楽しめる展望台となっている。

展望台に上がり、振り返ると美しい富士山が見える・・・はずだった・・・。

ここが今回のスタート地点である。

展望台には、先ほどの駐車場まで車でやってきた家族連れなどが多い。
イーゼルを立てて、雲海を絵にする人達の姿もあった。

展望台の奥に進むと、森に入る道がある。
八ヶ岳の入り口でもある。
が、八ヶ岳を登るのではなく、その麓をトレッキングできるコースがあるので、そこを進むのだ。

紅葉のシーズンだから、コースも人が多いのだろう、と考えていたのだが、反対にほとんどいない。
展望台に来ていた人達は、あくまで展望台で高原を楽しむまでがほとんどのようだ。

さて、最初の目的地『羽衣池』を目指す。
笹で覆われた道をかき分けて進む。少し開けた場所に出ると、そこが『羽衣池』。

・・・水が無い。なんだかとても寂しい場所。時期が悪かったか・・・。

長居しても仕方が無いので、次の地点『天女山』に向かう事にする。

笹の道を進む。
ところどころの木に、赤や黄色のテープが付けられている。これがコースを示す印だ。

熊よけのベルを鳴らしながら森の中を進む。
木と木の間に見える向こうの山は、少し色づいているけれど、歩いている付近はおよそそれらしい感じではない。

天気予報では、20度近くになるような事を言っていたが、さすがに山をナめるわけにはいかないので、アウターを着ていたが、汗だくになってかえって体力を消耗してしまうだけなので、半袖姿になった。

水のながれる音が聞こえて来たら、『川俣川渓谷』。
水が澄んでいて奇麗。

この川を越えると、通行止め。川沿いに少し下がると、道が終わる。
あれ、目印は・・・?と周囲を見渡すと、川向こうの木に印が付いている。
印はあるが、その先に進む道が判然としない。
とりあえず、川の石を踏み越えて渡ると、道らしき道が分かった。

しばらく進むと、視界が開ける。
『県営八ヶ岳牧場』。
広々とした牧場にヤマナシの木が1本。
振り返れば、八ヶ岳が近くに見える。

雲が多いが、雨雲ではないので、八ヶ岳の頂上までよく見える。
反対側の富士山は雲海の中。




牧場を抜けると、しばらくは林の中を歩くことになる。
林を抜けると、展望台。
ベンチも用意されているので、少し休憩。

ここまでで、約2時間歩いたが、ほとんど人とすれ違う事は無かった。


展望台を後にして、再び森の中を進む。
しばらくすると、車道が見える。
そこを渡ると、上り坂が続く。

上がりきると、道が二手に分かれる。
左は『天女山』、右は『権現岳(標高2715m)』。

本格的な山登りをする予定は無いので、その入り口となる『天の河原(あまのかわら)』まで行ってみることにした。


『天の河原』は、天女が身を浄める場所であり、先に訪れた『羽衣池』は、舞衣を洗い浄める場所と云われているそうだ。

南アルプスの山々が見える。

そろそろ午後2時を回る。
日帰りなので、そろそろ帰ることを考えなければならないので、『天女山』を目指す。
目指す、と言っても『天の河原』から少し下がった場所。

展望台となっているので、ここで少し休憩。
先ほどまで汗だくだったが、午後に入ってやはり気温は下がってきているようだ。

ここからはずっと下り坂。


『天女山入口』まで下がると、後は清里駅の一つ小淵沢寄りの『甲斐大泉』駅まで舗装された道を歩く。




途中、山の中ではほとんど見られなかった、『紅葉らしい姿』を見ることができた。
この付近はペンションが立ち並ぶエリアとなっている。
しゃれた感じのレストランなどもあって、リゾートらしい雰囲気。

坂を下りきると、甲斐大泉駅に到着。
時間があれば、野辺山までいきたかったが、断念。

小淵沢駅まで戻り、特急列車のチケットを無事とることもでき、帰路についた。

今回は、前もって手に入れていたIODATA社のGPSロガー“旅レコ”を持ち歩いてみた。
自分の歩いたコースと時間、速度、高度が見られる(確認できる)のはなかなか面白い。

(了)