久之浜【福島県いわき市久之浜町久之浜東町】



ちょっと『からすや』さんに昼メシ行って来るよ。


07:00、上野発いわき行き『スーパーひたち』3号に乗る。

いわき駅からは、各駅停車に乗り久ノ浜行きに乗る。

久ノ浜駅に着くとまずは海側、久之浜港へ向かう。
それにしても今日は涼しい、というか寒いくらいだ。
午後からは雨になるという事で、遠くの景色は煙っていて見えない。

電車の窓からもよく見える、殿上崎のそばへ来た。
地震の影響により、かなり崩れてしまったようだ。

久之浜港は船でいっぱい。
きれいに船が並び、漁に出るのを今か今かと待っている。
ここも相当な被害はあったそうだが、今ではこんなにきれいになっている。



何やら動くものが視界に入ったと思ったら、猫がいた。
何か咥えている。子猫だった。
津波の後も、こうしてまた港のそばで子を産み育てているのだ。
来た道を戻り、右手の坂道を上がる。

『津守神社』
高台となっているこの場所からは、木々の間から久之浜の町並みが見える。



ふと足下を見ると、ピンクの花びらが落ちていた。
上を見上げるとまだ少し桜が残っていた。




蔭磯橋を渡る。
津波が押し寄せた際には、橋の一部が破壊されたそうだが、今現在はこうして渡る事ができている。
内陸側には、少し遠くに橋脚のみとなってしまった橋の跡がある。

来る時には無かった、大型の観光バスが1台。
降りて来た人達は東町を見て回ったようだ。

遊歩道は途中から立ち入り禁止となっていた。
先月は海側に来なかったので分からなかったが、工事が始まっていたようだ。
ようやく復旧し始めたのだろうか。
でも、後で聞いた話ではこの地区のかさ上げをするための土などが無いらしい。
その土を提供してくれるという方がいても、ここへ運ぶための予算も無いという・・・。




秋義神社。
今日は月命日という事もあって、誰かしら集まっているのかとも思ったが、工事関係者以外は誰もいなかった。


海沿いの遊歩道を四倉方面に歩く。

途中、歩道に兜が置かれていた。
先週は子どもの日、端午の節句。
いつかまた、この浜辺で元気に遊び回る姿を祈って・・・。

遊歩道を歩いていると、どんどん雲行きが怪しくなってくる。
遠くに見える鳥居、弁天島。
あそこまで歩きたいが、思いっきり波が叩き付けられているので無理そうだ。
そろそろ昼近くでお腹も空いて来た。

遊歩道を戻り、今度は元々商店街のあった通りを歩く。

諏訪神社。
5月の連休中にお祭りがあった。
避難先から子ども達も集まったようで、おそらく相当盛り上がったのだろう。



東地区を後にして、『浜風商店街』へ。

今回は『ふれあい情報館』でたっぷりお話を聞いた(聞いてもらった?)。

先月、がれき置き場から人骨が見つかり、行方不明となっていた女性という事が分かったそうだ。
がれきを撤去する際に、すでに亡くなって埋もれてしまっていたのをがれきごと持って行ってしまったようだが、
こういう話を聞くと、そうやって見つからないままとなっている方々も多いのだろう。

もう2年も経った、まだ2年しか経っていない・・・。

新しく建つ家、
警戒区域内からら引っ越して来た人達。
でも、それはごく一部であり、大部分は仮設住宅に住んでいる。離れたくても離れられない。
自治体の対応もばらばら。

そんな状況だから、“申し訳なくて行く事ができない”。
そんな風に思わなくていい。

今回の写真は雨模様でちょっと残念だけれど、晴れているととても美しい景色が見られる。
そういう景色を楽しみにやって来るのも、良いでしょう。
商店街にて、ご飯を食べる、話をする。
そんな楽しみ方もできるのです。


『からすや食堂』でちょっと遅めの昼食。
今日はカツ丼を頂きました!

帰りはすっかり雨模様。
でも、商店街でまた笑顔に会えた!

おととしは夏、昨年は10月に花火大会が開かれたそうだ。
今年はまだ決まっていないそうだが、ぜひその頃に遊びに行きたい。

(了)