犬吠埼(いぬぼうさき)【千葉県銚子市】


またあの空を、海を見たくて。

銚子電鉄に乗ると、前回はいなかったアテンダントの若い女性がいて観光案内をしてくれたのだが、いかんせん銚子電鉄は終点まで行っても15分くらいしかかからないし、他の客もいるのであまりおしゃべりはできない。

それでも、観光客が少ない事もあって、色々話を聞くことができた。

観光客が一番たくさん降りる犬吠埼駅に着くと彼女も仕事を終えて降りたが、ホームから「お気をつけて、水分をよくとって下さいね!」と手を振りながら送ってくれた。
なんだか嬉しい。

終点の『外川(とかわ)』に着くと、前回同様に漁師町を抜けて海沿いの道へ出た。
空が青い!
水平線がくっきりと見える!

風はあまり無く、暑くて汗がどんどん出て来る。
それでも空気はそろそろ秋となってきていて、とても気持ちが良い。
波も穏やか。

前回同様に、海沿いに犬吠埼の灯台を目指して歩く。
この青い空を見てしまったら、早く犬吠埼の灯台に上がってもっと見てみたい気持ちに駆られ、漁師町をもっと散策したい気持ちもあったのだが、先を急いだ。

白亜の灯台が美しい。


灯台を上がる、そして・・・



蒼穹―。

空と海をしばし独り占め。




君ケ浜、灯台周辺を散策。


お腹も空いて来たので、昼ご飯は、あなごの天丼。

ボリューム満点!美味しい〜!

お腹もいっぱい。
落ち着いた所で、君ケ浜から銚子電鉄の『君ケ浜』駅はすぐ近くなので、歩いてみる。

無人駅とは聞いていたが、実際に言ってみるとびっくり。
なにせ、改札すらない。入り口の門は老朽化による安全上の問題とかで、上部は無くなっていた。一瞬廃墟かとも思ってしまう。
ホームに入ってみると、誰もいない。

しばらくすると、タタン、タタンという走行音がすぐ近くのレールから響いて聞こえて来る。
それが列車が来る事を知らせる、接近メロディの代わり。

ここから銚子に戻るのではなく、もう一度外川方面に一駅、『犬吠』駅に向かう。
行きの車内のアテンダントに教えてもらった『ぬれ煎餅アイス』が『犬吠埼』駅にある。
それを食べに来たのだ。

なかなかイケる。ハーゲンダッツの『クッキー&クリーム』のクッキーがぬれ煎餅に変わったような感じ。
醤油の味がするわけではないけれど、結構美味しい。

先ほど乗った列車が、終点から戻って来たので、急いでアイスを食べて再び乗車。今度は銚子方面に戻る。

銚子から一つ目の『仲ノ町』駅で降りる。
ここは銚子電鉄の本社、銚子の名産の醤油の工場があるのだが、銚子電鉄の車庫を見学することもできるのだ。
見学するには、入場券が必要。そんなわけで硬券の入場券を購入し、踏切を渡ったらそこが車輛庫。
別に案内してくれる人がいるわけではなく、自由に見られるのだが、どこまで足を踏み入れて良いのかわからない・・・。

その一角に、ドイツ製の電気機関車、『デキ3』がいる。銚子電鉄のマスコットと言える存在だ。
なんだかオモチャみたいでかわいらしい。
残念ながら、現在はもう動かす事は無いようだ。

それでも車体はピカピカ。
とても大事にされているのがよく分かる。

そのすぐ側には、引退した『デハ801』が一緒にいる。
昭和の雰囲気を持つこの車体。これに乗って旅をしたかった・・・。




付近の醤油工場からは、とても香ばしい香りが漂って来る。
工場を見学することもできるようだが、そろそろ列車が来る時間なので、パス。


銚子駅に戻ると、すでに特急『しおさい』東京行きがホームに入っている。
特急券も無事購入。

そういえば、今まで特急料金がが閑散期、繁忙期で異なる事を知らなかった。
ずっと固定だと思っていた。

二度目の銚子の旅も楽しむ事ができた。
今度は、もっと寒い季節に訪れてみたい気がする。

(了)