鉄砲木ノ頭【神奈川県・山北町/山梨県・山中湖村】


朝4時、空はまだ真っ暗。月が明るい。
最寄り駅の始発で川崎へ出て、南武線に乗り換え、立川へ。
立川から中央線に乗り換え、高尾へ。
高尾から中央本線に乗り換え、大月へ。
大月から富士急行に乗り換え、富士山駅(旧・富士吉田駅)へ。

南武線は川崎から立川までの、全区間を乗るが、この時間帯に快速なんて無いし、そもそもあまり時間短縮にならない。
新宿から特急に乗って大月まで行くルートもあるが、残念ながら朝7時より前には特急列車が無い。

そんなわけで、片道3時間を越えるこんな経路となった・・・。

大月には7:05着。
富士急行のホームに向かうと、元・京王線の車両がこんなカラーリングとなって活躍している。
特急もあるが、これもあまり時間短縮にならないし、まだ当分の間やっては来ない。

発車する頃には車内は人が結構多くなった。
軽装な人達が多いので、ほとんどが富士急ハイランドへ向かう客なのだろう。

約40分、富士山駅に到着。
今年(2011年)から富士吉田という名前から『富士山』に改称されたそうだ。

ここから、周遊バス『ふじっ湖』号に乗る。
今回は、JRでの往復、フリーエリア内の富士急行線(鉄道)2日間乗り放題と、周遊バスなどの引換券がセットになった『河口湖・山中湖セレクトフリーきっぷ』を使った。

河口湖、山中湖方面への周遊バスは別々なので、両方をいっぺんに行くことはできない。

ちなみに、特急料金を別途購入すれば、区間内の特急にも乗ることができる。

山中湖を左回りに約半周して、スタート地点となる『平野』に到着。

山に入るまでは、やたらテニスコートや体育館(レンタル?)があるところを過ぎて行く。
目標物となるテニスコートと体育館が見つからない。
仕方ないので、iPhoneのGPSで現在位置を出してみたら実は途中まで1本道を間違えていて、となりの道だった・・・。
スタート地点までもどるのは、時間ロスなので、横道を探し出しコースを見つけ出した。




ハイキングコースの入り口は立て札があるのだが、その先はペンション、別荘に入る道などに分かれていて、何度か間違えそうになった。


分かれ道となっているのだが、立て札の字がつぶれて読めない。
左の道には奥にまだペンション、別荘が見えているから、まだ先なのかと思い、左に進む。
なんだかはっきりしない道を進むと、ようやく山に入る感じになっているので、上り始める。
少し広い所に出ると、さらにはっきりしなくなる。


すでに『道』ではなくなってしまっているものの、方角はあっているし、上を見上げると明るくなっているので、そのまま進む。
妙にキツいなーと思いつつも、尾根らしき場所に上がると休憩している人がいたので安心。

実は、先ほどの道を右に行くのが正解だったのだ。
この周辺は割とどこからでも登れてしまう高さだが、あまりこういう事はしない方が良いだろう。

”山で迷ったら下らずに登れ”というのは、確かに正しい。

さて、尾根からはさらに登る道が続く。
辺りはススキの穂で覆われている。

高指山(たかざすやま)の頂上を目指す。
山肌は、石よりも土で、富士山の火山灰でできているのだろう。

先日購入したトレッキングポール(杖)が役に立つ。
実はコレ、取手部分のキャップを外すと、カメラ用の一脚代わりにもなるのだ。

途中、振り返ると、富士山と山中湖がよく見える!
少し雲がかかっているが、午後には無くなってくれる事を願いつつ、さらに登る。

高指山(たかざすやま)頂上。

汗が引いたところで、高指山を下りる。
次は、切通峠(きりとおし)を目指す。
木々のトンネル、落ち葉の道を進む。

空を見上げると、今回の目的地『鉄砲木ノ頭(てっぽうぎのあたま)』が見える。

緩やかな斜面が続く。


途中、三国山へ向かうコースとの分かれ道を過ぎると、だんだんきつい坂となってくる。
息も上がってくるので、途中休み休み。汗だくにもなる。
日の当たる面ではないので、少し休むとすぐに冷えてくる。







登る先が明るくなっている。ラストスパート。


『鉄砲木ノ頭』頂上。
標高1,291m。別名、明神山(みょうじんやま)。



開けた場所となっていて、富士山と山中湖を一望できる大パノラマ。
高指山で見た時よりも富士山に雲がかかって、頂上が見えなくなってしまった・・・。
でも、空が広くてきれい。

しばらく待てば富士山にかかっている雲がどいてくれないだろうか、と願ったが、そろそろ下山しなければならない時間。
後は下山するまでずっと富士山が見えているだろうからと、そこに望みをかけた。



『鉄砲木ノ頭』からの下りは、僕の背よりも高いススキの穂の海の中を進む。
振り返ると、『鉄砲木ノ頭』が黄金色に輝いていた。

下る途中に『パノラマ台』があり、車で埋まっていた。
ここまでは車で簡単に来られるようで、また撮影場所として有名なようで、これからの夕焼けのシャッターチャンスを逃さないよう、数多くの三脚で場所取りされていた。

『パノラマ台』を下りると、バスで来た道に着いた。
近くの大きな公園(山中湖交流プラザ)まで行き、そこからバスに乗って富士山駅に戻る事にした。
まだ1時間ほど待つので、その間に公園を横切って水際まで行ってみる事にした。



遠くに遊覧船、釣りの船などが浮かぶ。
富士山にはさらに雲がかぶさって全く見えない。
と、いうことは富士登山をしている人達は今頃大変なのかも。

公園内には大きな野外ステージ、球場があり、子ども達の野球練習の声が響いていた。
この辺りは観光とは少し離れた場所なので、観光客で賑わっていないのがちょっと寂しい感じ。

富士山駅に向かうバスがやって来て、乗り込む。
そういえば、行きも帰りもバスはガラガラ。
窓から見える富士山は相変わらず雲の中。

そして、富士山駅へ。
ふと窓の外を見ると、富士山の形がくっきりと見える。
今頃・・・・。

(了)