屏風ヶ浦【千葉県銚子市名洗町】



四度目となる銚子の旅。
今回は帰りの特急に乗る時間を遅めに設定し、その分移動範囲を拡げてみることにした。
そんなわけで行ってみたのが、『屏風ヶ浦(びょうぶがうら)』。


東京から銚子へ。
銚子駅からは銚子電鉄の『丸ノ内線』カラーの車輛に乗って、終点『外川』駅へ。
『犬吠』駅までは、観光シーズンらしく地元のボランティアのアテンダントのおばちゃんが名所を解説してくれていた。

外川駅に着くと、前回までなら東方向に進むのを今回は西に進む。
港町の道を進む。
暑い。汗がどんどん出て来る。

1時間ほど歩くと、『銚子マリーナ海水浴場』が見えて来る。
海水浴の客で結構賑わっていた。
泳ぎたい気持ちもあるが、それを横目にもう少し先に進む。

するとこんな崖の続く景色が現れる。

『屏風ヶ浦(びょうぶがうら)』
『ドーバー海峡の崖に似ている事から、“東洋のドーバー”と呼ばれている。』との事。
ドーバー海峡に行った事がないのでよくわからないけれど、延々と続く岸壁の姿は大迫力だ。

遊歩道が崖下に続くので、歩いてみる。

この崖上には『銚子ドーバーライン』という県道が走っている。
そこをずっと歩いてもっと先まで行ってみたかったが、さすがに時間は足りなさそう。
もともと有料道路だったそうなので、果たして歩く事ができるかも分からなかったが、ランニングしている人がいたので行けそうだ。とはいえ、路側帯はあるものの細い上に排気ガスまみれになるのもイヤなので、断念。

10キロ以上先に行くと『飯岡灯台』があって、バスを使えば行けるのは事前にしらべておいたが、本数は少ない。
そこに行くのはまた別の機会にしよう。

さて、崖下の遊歩道は途中で立入禁止と書かれたテトラポッドにより寸断されている。
さらに先に進めなくもなさそうだが、遊歩道自体が壊れているのが遠目でも分かる。
だがそこへ近所の人だろうか、ママチャリで躊躇無く進んで行く・・・。

整備もされていなさそうな上に波が打ち上げているので、さすがに行くのはやめておいた。
その代わりしばらくここで涼む事にした。と言っても日陰は無いから暑いのだけれど・・・。


来た道を戻り、犬吠埼を目指す。

遊歩道を進むと、いくつかホテルがあるのだがその内の一つ、『グランドホテル磯屋』が閉館となっていた。
昨年の大震災以降、宿泊客減少に歯止めがかからずこのようになってしまったようだ。
先ほどの『銚子マリーナ海水浴場』はそれなりに人が多かったが、“芋を洗うような”程では無い。
来る時の特急列車内もガラガラ。指定席をとっておく必要も無い。まあ、これは車利用の方が多いのだろうが。

まだいくつか立派な建物のホテルはあるが、時間の問題とならないように祈るばかりだ。
宿泊プランに『1名様』があれば利用したいのに、全てのホテルで『2名様以上』。
1名だとコストに合わないのかもしれないけれど、プランを増やして欲しいなあ。

灯台に着くと、さすがシーズンなだけに人が多い。
上ってみると、風が強い!
湿気も多いので、どんどん体がベタついてくる。
海は奇麗だけれど、あまり長居はできそうにない。



海鮮レストラン“海づくし”で遅めの昼食。
相変わらずものすごいボリュームの穴子丼。

灯台の北側に続く、『君ケ浜』を歩く。
この辺りは遊泳禁止となっているので、人もまばら。
途中にある休憩所の水道を使って汗を拭く。


午後3時半をまわったので、そろそろ犬吠埼を離れる事にする。
ここから歩いて『犬吠』駅へ。

駅の売店で、『濡れ煎餅』の『青のうす口味』と『緑の甘口味』を購入。
実は味が三種類(あと一つは『赤の濃い口味』)あるのを知らなかったので、この2つを買うのが目的でもあったのだ。

やってきた電車に乗り、『仲ノ町』駅へ。
まだ帰りの特急列車には時間があるので、ここではまず、車輛庫の見学。
以前にも見たのだが、『デキ3形電気機関車』。

今回は撮影がしやすい場所に来ていたので良かった。それにしてもかわいい機関車だ。

その奥には、塗装変更中の車輛の姿があった。
8月には黄色になり、かつての地下鉄銀座線の姿となるのだ。
そうなると、丸ノ内線と銀座線がここ関東の東端の地上で見られる事になるわけだ。

線路を渡り、仲ノ町の町中(住宅街)へ入る。
歩いて3分とかからない場所に銭湯『松の湯』がある。
日帰りでホテルにも泊まらないので、せめて温泉か銭湯でも入ろうと思い、探したのがここ。

昔ながらの番台があって、小さな洗い場、そして湯船。
客のほとんどがご近所の常連なのだろう。脱衣所のロッカーの上には石けんやシャンプーなどがたくさん置かれたままになっている。
情緒溢れる光景だ。
『電気風呂』なんてのがあったが、日焼けしていたのでパス(笑)

スッキリしたところで、ここから歩いて銚子駅に戻る。
銚子駅周辺のアーケードは歩道も広くて車の通行量も多く、店も多いのだが、ゴミ(落ち葉などが主)も多いため、どうしても閑散とした雰囲気となってしまっている。
閉店時間も早めなようなので、なおさらだ。もっと賑わって欲しいなあ。

だいぶ陽も落ちて来た所で今回の銚子観光は終了。
結構歩き回ったので、特急列車の席に着いたらあっというまに眠ってしまった。

(了)