男体山【栃木県日光市】



このまま野生の動物に今すぐ生まれ変わって野山を駆け巡ってみたい―。

『東武伊勢崎線』、浅草駅05:29発『新栃木』行き。
新栃木からは、『東武日光線』に乗り換え、『東武日光』駅へ向かう。
これが自宅最寄り駅から始発に乗って、最も早く乗れる、そしてなるべく乗り換えが少なく済む経路だ。

特急を使いたいところだが、07:30の『けごん』号では現地に着くのが10:30分を超えて、予定をオーバーしてしまう。
そんなわけで、急行(区間急行)を使う事になった。
それでも今回のプランはぎりぎりになるであろう事は予想が着いていた。

浅草から新栃木まで約1時間40分、新栃木から東武日光まで約1時間の最寄り駅から含めると片道3時間46分。
特急列車の座席なら、『旅』っぽくはなるが、普通の通勤型なので、長時間座り続けるのは結構つらい・・・。

東武日光からは路線バスに乗る。
だが、すぐにやってくる08:16発は、登山口となる『二荒山神社前』までは行かない。
待つ時間もおしいので、これに乗り終点から徒歩で行く事にした。

『いろは坂』はやや渋滞ぎみ。
それでも、終点にはだいたい予定どおりだったので一安心。

『日光二荒山神社・中宮祠』。ここが今回のスタート地点だ。
まずは男体山登拝受付で名前と住所を書き、登拝料として500円払う。
なるべく5時までには下山して欲しい、という事を説明してもらい、お守りを頂く。

鳥居をくぐり、一合目からスタート。
いきなりきつい坂道。

舗装された林道に出る。



この林道の木々は紅葉が始まっていて、緑の中の赤がとてもきれいだ。

しばらく歩くと鳥居があり、ここから四合目となる。
ここからが、本番だ!

男体山はそのシルエットはでこぼこも少なく、美しい稜線を描いているが、実際の登山道は段差の激しい場所が多い。

案外下山してくる人達が多い。
車、もしくは前日から近辺のホテル等に泊まっていて、早朝からスタートできたのだろう。

時々木々の間から中禅寺湖が見えるのを楽しみにしながら進む。


トレッキングポールは1本しか持っていないのだが、ダブルで使う人が結構多い。
でも、この傾斜と岩だとむしろ邪魔なのではないかとも思う。その都度しまうのも手間だろうし。

別につかわなきゃいけないわけでもないので、場所にあわせてほとんど岩につかまって四つん這いのような格好で進む。
そんな場所が多いので、また、登山・下山の人達の邪魔になってしまうためあまり撮影はできない。

湖の対岸もよく見える。
6月に失くした眼鏡はあのどこかにあるのだろうか・・・?


八合目、『瀧尾神社』に到着。狭いので、ザックを背負い直すだけですぐに出発。

陽の当たらない場所には、霜柱が目立ってきた。


森林限界を超える。頂上はあともう少しだ!
乾いた小石、ガレ場となり歩きにくくなる。

背後は中禅寺湖全体が・・・!
戦場ヶ原』や『小田代原』も見える。


そして山頂に到着!


標高2,486m。

風が、雲がすぐ近くを流れて行く―。















コンビニのサンドイッチで昼食を済ませると、だいぶ雲が多くなってきた。
でも、雨になるような雲ではなさそう。
登山客も半分以上が下山してしまったようだ。

僕もそろそろ出発しなければならない。
すでに午後1時半を過ぎている。ゆっくり過ごしすぎたかもしれない・・・。

山頂を少し離れると、再び青空。
『湯ノ湖』も見えている。

でも、“山の天気は変わりやすい”ので、気をつけなければ。

『大真名子山(おおまなこさん)』が見える。
ここは稜線がそのまま崖っぷちになっていて非常に怖い場所だ。

森林限界の中に入ると、陽もほとんど当たらない、樹林帯となる。
行きとは違って、岩よりも土の登山道。
ややぬかるみも多いが、こちらを通る人が少ないためか、泥だらけとまではいかない。

そう、ほとんど人がいない。すれ違うことも無い。
もっとも、この時間から山頂を目指すのは危険だろうけれど。

こちらも段差が激しい箇所や目印のテープも無い場所が多く、一旦止まって周りをよく見てから進む。

薄暗く、展望も良くない。
そりゃに二荒山神社へのピストンの方が楽しいに決まっている。

午後3時で三号目。
こんな目印しかない道が続くが、それでもこれが見えただけでもホっとする。
あともう少しだ。


一合目、そしてそこからすぐの場所に『志津避難小屋』がある。
もし仮にこの後暗くなりすぎたら、ここに戻る事になるだろうか、なんて考えながら後にした。

『裏男体林道』に出る。
ここからは舗装された道が続く。駐車スペースもあるので、ここをベースにして動く人も多いようだ。

考えていたより、展望は良くない。
木々の隙間から大真名子山が見えたりもするが、じっくり見ている時間は無い。
紅葉がもっと進んでいれば良いのだろうけど、ほとんど緑。

『太郎山』への分岐。
もう午後4時を過ぎている。

林道の半分を進んだ。陽はもう山の向こう。
どんどん暗くなっていく・・・。
そして、前も後ろも誰もやっては来ない。たまに山を下ってきた人達の車が追い越して行く。

『三本松』に行くつもりだったが、あたかじめ国土地理院の地図で調べてみたが、遊歩道があるようだが、舗装道路かがよく分からなかった。
この暗さだともう林の中を歩く気になれないので、早めに車道にでるため、光徳入口に向かう事にした。
国道120号線に出ると、そこは『光徳入口』でバス停もある。
そこでバスを待っている人達の姿があったので、一安心。

もうバスは逃していて、1時間は待つつもりでいたが、少し遅れていたのか、すぐにバスがやってきた。
これで考えていたよりも少し早く帰ることができる・・・と思ったが、やはり道は渋滞していた。
それでもようやく『竜頭の滝』を過ぎ、スタート地点であった『二荒山神社前』を過ぎた。

東武日光駅に着き、浅草行きの特急列車を予約しておこうと券売機に向かうと、もうあと10分で発車になってしまうところだったので、急いで特急券を購入。
混雑しているわけではなかったので、座席は隣に誰も来ることなく、浅草までゆったりする事ができた。

特急はすでに車内販売も終了していて、車内の自販機でジュースを買うくらいしかできないのはちょっとさみしい感じがする。
そして外の景色も暗くて見えない。

2時間もすると見慣れた都内の景色。スカイツリーの前を通り過ぎたら、浅草駅に到着だ。
浅草の駅を出ると、寒い場所にいたこともあって、夜の東京がとても暖かく感じてしまった。

自宅には午後11時近くとなったが、無事『日帰り男体山登山計画』は完了!
(了)