数日前、たまたまテレビを点けるとニュースで広野町の稲刈りの様子が映し出されていた。
3ヶ月前、まだ青々とした若い稲の姿を見て、10月になったらまた必ず来ようと考えていたのだったが、予定を早めて行く事にした。

とにかく良い天気!
常磐線の車窓からは、収穫が終わって既に次の苗が育ちつつある場所がいくつも見られて、もしや広野町も既に収穫が済んでしまったかと思ってしまったが、まだ間に合ったようだった。
原発から半径30キロ圏内にある広野町ではあの事故によりほとんどの農家が自粛してコメを作る事ができなかったが、今年は約3年ぶりに再開され、出荷に向けて検査も行われた。
やはり来るのが遅かったのか、既に刈り取られた場所が多かった。
もっと稲穂を見たかったのになあ…。
青い空は高く、 ススキが風に揺れている。
まだ夏は終わらせないとばかりに、ツクツクボクシの鳴き声が辺りに響き渡っていた。
至る所で黄色の花を咲かせている背の高い植物が見られる。
元は外来種で、困ったことに根から他の植物の生育の邪魔をする成分を出すという、特に田畑で問題となる嫌われ者のセイタカアワダチソウだ。
ただしその成分は自分自身にも影響してしまうのだそうだが…。
五社山が見える。
稲穂が倒れているのは、先週の台風の影響だろうか?
まるで絨毯のようで美しくさえも感じてしまう…。
また来年も、再来年もこんな美しい景色が見られるよう願いつつ、帰りの電車に乗るため、広野駅へと戻るのだが、その途中にもう一つ嬉しい光景を見る事ができた。
(続く)