犬吠埼のクリスマス【千葉県銚子市】


丘の上の風は、ほのかに醤油の香り。

今年の2月、そして Blog には書かなかったが9月に行って、今年三度目となる銚子、犬吠埼。
今回は『仲ノ町』駅で車両見学をしたかったので、銚子駅で特急を降りた後は改札を出て線路側の道を歩いて向かった。
窓口で入場券を購入してから、線路を渡って車庫へ。
いつもの“京王線”、“銀座線”、そして“デキ3”が休んでいる。
“丸ノ内線”がいない所を見ると、今日は本線でがんばっているようだ。
“銀座線”は整備中…。おや、足が無い!
普段から鉄道を追って様々な車庫見学をしたりしているわけではないので、色々すぐ近くで見られるのが嬉しいこの場所だけれど、台車を完全に外されて、まるで宙に浮いてるかのような姿を見られたのはまた新鮮だ。
いずれまた新しい“足”でキャベツ畑を元気に走ってくれるのだろうか?
車庫を後にして、線路横の車道を歩く。このまま行けば『観音』駅だ。
まだ銚子駅からの電車はやって来ないので、先に駅で待つつもりだ。
たい焼き駅(笑)の入り口。『KANNON』の表示の方が小さいのがまたなんとも。
この駅ではそのたい焼きが有名なので、待つ間に1つ頂く事にした。
あんこが『隅から隅まであふれるくらいにぎっしり』ではないのが好み(個体差?)。
さて、『外川』方面から電車がやってきた。やはり“丸ノ内線”だ。
15分後、これに乗り、外川へ向かう事になる。
外川駅を降りると、“デハ800”が留置線に入っていた。雨ざらしでこのまま朽ちて行くのだろうか…。現役時代に乗りに来なかった事が悔やまれる。
幾人かの客はそのまま坂を下り、漁港方面に向かったようだ。
僕は逆に坂を上る形で『愛宕山』をキャベツ畑を見ながら、目指す。
山というか、丘の上に円形の建物と、何やら突き出た板状のものが見えて来た。ここが次の目的地『地球が丸く見える展望台』だ。
『犬吠』駅から行く方が少し近いようだけれど、時間があるので外川から行く事にした。
入場券を買って、3階に上がり、そこから外に出てさらに屋上に上がる。
「本当に丸い!」
おそらく誰しもがここでそう言っただろう。
東西南北全てが見渡せる。ここはこの辺りでは一番高い位置となるので、本当に遠くまでよく見える。
関東地方の東の端の形状がよく分かる。
展望台の中央でごろりと仰向けになってみると、雲が無く真っ青な空だけがあり、まるでこのまま空に向かって落ちて行くんじゃないかとさえも思ってしまう。
今日は平日という事もあってか、醤油工場が稼働しているはずなので、時折風に乗って香ばしい醤油の香りがしてくる。
ちょっとお遊びで、せっかくのクリスマスイブだから持って来たサンタ帽をかぶる。
でも、展望台に上がって来る団体の声がしてきたので、すぐに外してしまった。さすがに撮っている所を見られるのは恥ずかしい(笑)
犬吠駅を通り越して、灯台へ向かう。
海沿いの遊歩道を歩こうと思ったのだが、10月の台風の影響で通行止めになってしまっていた。
クリスマスと言えど、平日なので人が少ない。
昨年は祝日と重なったので丁度良かったのだけれど。

『あわび屋』さんで昼食をとる事にし、『荒磯定食』を注文。
まずテーブルにやってきたのはこれ!
美味い!
最後に残った汁も出汁が美味しくて全部頂いてしまった。
ああ、他の刺身やフライを撮影しそこなってしまった…。
灯台は午後4時からイルミネーションが点灯されるのだが、まだ時間があるので灯台に上って撮影。
普段は入場料が要るのだが、今日だけは4時になれば、無料開放になる。
『地球が丸く見える展望台』からの景色も良かったが、ここからの景色も好きだ。
北の方角を見ると、少し高めの山が見える。
この方角だと日光の男体山…ってさすがにそこまで見えるわけは無く、筑波山だ。
展望台からは富士山も見えていたらしいのだが、よくわからず後日画像を調べてみたら、あった!見えていたんだ!
まだ4時まで時間があるので、君ケ浜を歩く。
途中にある休憩所でしばらく波の音を聞きながらぼーっとして過ごす。
浜辺で部活動に励む近隣の学校の野球部員達の姿があった。
彼らも大人になったら、この銚子を出ていってしまうのかな…?
陽が傾いてきた頃、灯台を見るとちらちらと光の筋が見えてきた。
イルミネーションの準備が始まったようだ。近くに行ってみよう。
銚子海上保安部の方々が準備を始めていた。
午後4時半を過ぎた。
この後6時からはコンサートも開かれるという事なのだが、残念ながらそろそろ帰らなければならない。
11月21日より、銚子電鉄では時刻表が改正され、昼間や夜間など利用者の少ない時間帯は減便される事となった。
そのため、昨年よりも早くここを出ないと銚子駅からの特急の最終に乗る事ができなくなってしまうのだ。

いつかは最後までちゃんと見ていたい。

銚子駅では、いつもよりも早く戻ってきた事もあって、まだ特急列車も来ていない。
でも、その間にいつも行く土産物屋さんで、しらすとわかめ、そして濡れせんべいを買って帰路についた。
銚子電鉄の時刻表改正による減便は非常に残念な事ではあるが、濡れせんべいで危機を乗り越えたあの時同様に、また復活ができるよう心から祈りたい。
土産物屋で『醤油サイダー』なんてものが目に入ってしまったので、気になって購入(笑)。
家に戻ってから飲んでみたけれど、まあさすがに醤油に炭酸を入れただけ、という事はなく、甘めの炭酸飲料といったところだった。
香りも特にしないかな…。ちょっと残念(?)

(了)