広野の空【福島県双葉郡広野町】


3月11日、久之浜での追悼式の前に、広野町を歩いてきた。

上野から常磐線『スーパーひたち』を使った。
水戸駅を過ぎ、日立駅が近くなると海が見えて来る。磯原、勿来では海岸沿いを通るので、とても奇麗な景色を短時間だけれども楽しむ事ができる。
いわき駅。乗り換えに30分ほど待つ。とても良い天気!
広野駅。今日はずいぶんカメラを持っている人がいる。
現在の時刻が11時半。次にいわき方面に戻る列車は、12:50、次に14:36。
12:50だとあまり歩き回れなくなるし、14:36だと久之浜での追悼式に間に合わない。
なので、2時くらいに広野駅に戻り、タクシーを使う事にした。
昨年の夏の終わりから、広野駅から2つ先の竜田駅までの復旧工事が始まったので、駅の利用者が増えた事もあって、タクシーも常に2台以上は待機するようになっていたので、それを期待しての行動計画。
と言っても1月に来た時とほぼ同じ。

6号線に出て、常磐線の復旧工事の場所を見る。大掛かりな工事自体はもう終えているようには見えるけれど、まだ続いているようだ。
3月15日、週末のその日はJRのダイヤ改正となるのだが、残念な事に広野-竜田駅間は時刻表に組まれる事は無かった。
竜田駅のある楢葉町では、春に『帰町判断』という事だったが、4月以降になったようだ。

現在、『避難指示解除準備区域』である楢葉町は立ち入りは可能だが、宿泊はできない。
横道にそれる。畑はもう耕されて、準備が始まっている。
県道との合流地点ではこんな工事の看板が。
奥を見ると、ススキやセイタカアワダチソウでいっぱいだった斜面がすっかり刈り取られている。
お気に入りの五社山が見えるポイント。
6号線へ戻る途中、梅の花が良い香りを漂わせていた。
まだ時間があるので、『二ツ沼総合公園』まで足をのばした。トイレも行きたくなったし…。
トイレで用をたし、手を洗う。水が出る。
当たり前の事と思ってしまうが、震災でインフラが麻痺してしまってから、ここまで復旧させて頂いた人達がいる事を思うと、ただただ感謝するばかり。
来た道を戻り、『松本稲荷』へ。
北迫川を挟んで向こう側に、工事現場の人達ではないような姿が見られた。
後で知った事だったが、広野駅から東の沿岸部、この画像の奥にある浅見川の河口に献花台が設置されて、そこで追悼式が行われたそうだ。
駅に人が多かったのはそこに来られた方達だったのだろう。
さあ、僕も久之浜へ…。

(了)