竜田駅は福島第一原子力発電所から直線距離約16kmの位置で、
さすがに木戸駅と違って、無人駅ではない。
ただし、楢葉町自体は『避難指示解除準備区域』であるため、立ち入りは可能だが、宿泊は不可となっている。
台風が来なければ、この駅をスタート地点にして、さらに2つ先の『
ずいぶん前から計画はしていたけれど台風では仕方無い。
昨年はもう少し内陸側にある国道6号線を歩いたので、東側の海を目指す事にした。
小学校の前を通り過ぎる。
グラウンドを走り回る子ども達の姿は、今も無い。この小学校は現在いわき市に仮校舎があり、子ども達はそちらに通っている。
ところで、この小学校の校長先生を画像検索すると…なんともユーモラスな姿を見る事ができる。きっと子ども達だけでなく、大人達からも好かれているのではないだろうか…?(笑)
小学校を過ぎてすぐに『龍田神社』がある事に気付いた。駅名はここからとったのだろうか?
鳥居をくぐり、参道を行く。背の高い木に囲まれた良い雰囲気だ。
少し境内を歩いてみる。
年間行事では、今月夏祭りがあるはずだった。どんな祭だったのだろうか?
道に戻り、踏切を渡る。
踏切から南を見る。駅の端が見えるが先程の列車はもうすでに折り返した後だった。
踏切から北を見る。単線となる先は草に覆われている…。
昨年の4月に訪れた『
広い田畑は除染が進んでいないのか、雑草だらけだが、一区画だけ苗の植えられた場所がある。おそらく試験的に植えられたものだろう。
風、時折強く降る雨。
鳥のさえずり、木々の葉のこすれる音、セミの鳴き声。
遠くに波の音。
人の姿は、無い。
背の高くなった雑草の中から突然少し大きめの野鳥が2羽飛び立ち、驚かされた。巣があったのかもしれない。
でも考えてみると、田畑が無ければ巣はあって当たり前かもしれない。
人の手がつけられなくなった事で、鳥の単ができるようになったのなら、このままで…なんて考えてしまう。
霞がかった海岸線に建物が見える。
家だったのだろうが、なんだか舟のようにも見える。
もう少し近づけたら、そこをゴール地点にして駅に戻る事に決めた。
近づいてみると、橋の落ちた川向こうにある事が分かり、すぐ近くに行く事はできなかった。
どんよりした灰色の空と海。
なんだかとてつもなく遠い場所に来てしまったかと錯覚する。
でも、晴れた日なら、きっととても美しい景色が見られるに違いない。
また来よう。
駅に戻る。
ふと、アニメのキャラクターが描かれた看板が目に入った。
イベント開催の告知のためのものだが、日付は2011年3月19日からとなっていた。
次はこの2日間の最後の目的地、久ノ浜へ…!
(続く)
2014.8.10