3年と5ヶ月の浜。
守りの壁の向こうに波の音を聞く。
3月11日の追悼式から5ヶ月ぶりの久之浜。
東地区の工事は一段落着いたのか、更地化した場所は雑草で覆われつつあった。
海が見えない。
防潮堤の工事が進み、5メートルくらいの高さの壁の向こうに波の音が聞こえてくる。
見えなくなった。
秋義神社は変わらずそこにあるが、緑地化し、かさ上げが進んだ頃には、一番低い場所となるのかもしれない。
後で気づいたが、画像右奥の鳥居、『津守神社』の周辺の木々が倒れ、地肌が見えてしまっている。
半年前は木々に囲まれて見えていなかったので、崖崩れ、地滑りが起きてしまったようだ。台風はこれからなので、今年の梅雨の時期の不安定な気候が引き起こしてしまったのだろうか…。
防潮堤の内側にクロマツの苗が植えられていた。
これから10年かけて10メートルの高さに育ってゆく。
10年後の久之浜。
緑に覆われ、また美しい浜を見られる。
そんな未来を夢想する。
東地区を出る頃、秋義神社に立ち入る事ができるかと訪ねられた。こうして今も新たに訪れてくれる人達がいるという事は当事者でなくとも嬉しい気持ちになる。
さて、『
おや、今日は空いている、と思いきやこれから団体客が来るようで、少々あわただしくなっていた。
バスがー台やって来て、見学の人達が資料館に入るともう満員。
なんだかあっと言う間に行ってしまったかのようだったけれども、彼らがまだここに訪れていない人達に伝えてくれるのかもしれない。
訪れた次の日の11日、久之浜では『第1回「浜の夏祭り」〜久之浜・大久地区盆踊り及び花火大会〜』が行われたとの事。
残念ながら観に行くことができなかったが、こうして新たに祭ができたことで、より久之浜に多くの人が訪れてくれるようになる事を、切に願う。
(了)
2014.8.10