青い空の下、さよならの赤い電車。
2015年1月10日、銚子電鉄において20年間走り続けて来た、『デハ1002』という車両が引退。その最後の姿を見ようと、多くの人達が駆けつけた。
分かってはいた事だったが、多くの鉄道ファンがやって来た事で、小さな電車は一杯に。
車掌さんは大わらわ。
車内で乗車券も買えず、結局降りる駅で精算する事になるほどだった。
普段なら乗降客もほとんど見かけなかった無人駅でさえも三脚を立てる人たちの姿があった。
結局、人を写すのは躊躇ったので、デハ1002の姿を写真に納めるのはあきらめた。
これは約1年前の姿。懐かしいと思う方も多いだろう。
1959年に丸ノ内線、銀座線として誕生したこの車両は、1994年に引退し、第二の人生として銚子電鉄にやって来たのだ。
都会の地下から関東の東の果て、海のすぐ近く、醤油の香りの風が吹くキャベツ畑の間を小さな体をゴトゴト揺らしながら、ゆっくりと20年間走り続けた。
2013年クリスマス、外川駅にて。 |
外川駅から、1年前にも行った『地球の丸く見える丘展望館』に再び訪れた。
屋上に上がると、ここでもデハ1002を写そうと三脚を立てている人達がいた。当然、望遠レンズを使う事になるわけだが、まさかここでも撮影する人達がいるとは思わなかったので、ちょっとびっくり。
それにしても良い天気。
ここに来たのは景色を見たかったのはもちろんだが、Photosphereを作るためだった。
今日は空気も澄んでいる事で、富士山の姿を肉眼でもすぐに見つけられるほどだった。
先日の朝霧高原からちょうど正反対の位置から眺めだ。
どうせなら、屏風ヶ浦まで行きたいところだったが、今回はそこまで時間の余裕は無かったので、一旦外川駅まで戻った。
先ほどとは違って、ほとんど人がいない。とても静かだ。
そしてやってきた列車に乗り、2つ先の『
『きみちゃん』は眠っていた。 急に色々な人の世話をして疲れてしまっていたのかも…?
君ヶ浜に向かう途中のキャベツ畑には、カメラを構えた人達が多くいたが、畑を荒らす事になっていなければ良いのだが…。
君ヶ浜に到着。
水平線がくっきり!
海が奇麗!灯台にも早く上りたい!
でも、お腹が空いた!
そんなわけで、灯台のすぐそばにある、『なぎさや』で食事。
そして、『天プラらーめん』を注文。
ラーメンに天ぷらだと、クドいかな?と思ったが、思っていたよりも相性が良くて、美味しい。
柔らかいチャーシューも入っていて、2つの楽しみがある。
さあ、灯台に上ろう。
灯台周辺は、車やバイクで訪れた人たちで賑わっていた。
鉄道ファンの方々はこちらまでは来ない、というよりシャッターチャンスを逃したくないから動けない(興味が無い?)のだろうけれど、もっと銚子の色々な場所を訪れて、そのカメラで写して行って欲しいな。
いつもながら、風が強い。でも、ここからの眺めは大好きだ。
さて、今回はもう一カ所行く場所があるので、犬吠駅へ向かう。
何度か訪れている、『
そこには、ミニ機関車『デキ3』、メンテナンス中の『2000系』の姿があり、そして本日の主役『デハ1002』の兄弟、『デハ1001』が協調運転のため、出番を待っているところだった。
銚子駅から折り返してきた『デハ1002』に乗る事ができたけれども、車内はいっぱいなので座っていると外の景色が見えないほど。
でも、懐かしいシートのバネが効いてボヨンボヨンした感触、モケットの手触りを楽しみながら、再び犬吠駅まで乗車。
犬吠駅の二階では、『ありがとう デハ1002 引退記念写真展』が行われていた。
普段はドアが閉められていて行った事がなかった『二階』に初めて上がった。ずいぶん天井の高い駅舎だとは思っていたけれども、こんな風になっていたのかと、ちょっとびっくり。
再び灯台方面に向かう。
水族館『犬吠埼マリンパーク』そばの階段を上がり、『犬吠埼観光ホテル』。
いつかはここでゆっくりと泊まってみたいけれど、今回も日帰り。
ここに来たのは、以前にも利用させてもらった足湯を使わせて頂くため。
足湯は無料でありながらも、海の景色を楽しむ事ができる。
もうだいぶ陽が落ちて来た時刻という事もあって、誰も来ないようで足湯も景色も独り占めだ!
歩き回っていたので、足がじんわりとして疲れが溶けてゆく…。
(うすぎたない画像で失礼…。)
夕刻の君ヶ浜を歩く。
最後の旅路、君ヶ浜駅へ。
きみちゃんが起きていた。
やっと人が少なくなった事で、やれやれ、というところだろうか。
犬吠駅から列車がやってきたので、きみちゃんに別れを告げて、銚子駅まで戻る。
銚子駅ではまだ帰りの特急列車の到着までに時間があるので、その間に土産物屋でぬれ煎餅と味噌、シラスを購入。このシラスをご飯にたっぷりかけて食べるのがいつもの楽しみ。
土産物店のご主人は、今日はイベントがあった事でお客、とりわけカメラを持った人が多かったと言う。何のイベントだかは知らなかったけれども、ここ数日は踏切近くなどでも撮影している人たちが多くなって、不思議に(不審に?)思っていたそうだ。
私たちはずっとここにいるから、海も(仕事で)たまに行く程度だしねえ。
まあ、お客が来てくれればそれで良いのだけどね!となんともミもフタも無い事をおっしゃっていたが(笑)、僕自身も出身地が山に囲まれて、登山客の姿を多く見てはいたけれども、登った事は無い。他の地域の山には登ったりしているけれども、大体『地元』にいるとそんなものだ。
2013年クリスマス、銚子駅にて。 |
お疲れさまでした…!
(了)