8年目の春、無くなるものばかりじゃない。
富岡町は、平成29年(2017年)4月1日午前0時をもって、富岡町の一部の避難指示が解除されましたが、平成30年(2018年)4月の時点でも帰還困難区域は継続されていますので、バリケードを越えて侵入したりしないようお願い致します。
《2018年4月5日(木)》
今年は暖かくなるのが早くて、東京の桜はもうすでに葉桜。
昨年は4月10日に訪れたけれど、これは予定していたよりも早く行かなくては、という事で5日早く夜ノ森へ。
いわきから常磐線で富岡駅へ。
この半年はボランティア活動で、富岡町、浪江町に向かう事が多くて見慣れた光景だけれど、昨年の春は竜田駅から列車代行バスで富岡駅へ向かい、まだ富岡駅が建設途中だった事を思い出しました。
富岡川沿いを歩いて、夜ノ森駅を目指す。
昨年までとは空気が違う。復旧工事現場へ向かう車ばかりではなく、普通の乗用車、ジョギングをしている人の姿もありました。
もっとも、元々の町の住民ではなく、工事に関わっている人かもしれませんが。
並木道の入り口が見える頃から、もう桜が満開である事が分かりました。
思わず、「ああ!」と感嘆の声を出してしまいました。
桜の木々を見上げたところ、青空には
桜の花が顔の位置まで下がっているので、顔を近づけるとフワリとした良い香りがしました。
帰還困難区域のゲート位置は今年も変わらず。
周りの家々もそのまま。更地になっている場所も増えていました。
でも、家を建て直している光景も見られて、嬉しくなりました。
そういえば、『双葉地方の未来に光を』の看板が無くなっていました。
夜ノ森
夜ノ森
夜ノ森駅の西側へ。何かすっきりしているな、と思ったのは架線柱が新しくなって、まだ架線が張られていないからでした。
こちらの桜も良い枝ぶりです。
中には、なぜかヒイラギを抱いているものも…。
夜ノ森駅が営業再開、再び常磐線が仙台へ繋がるのは約2年後。
ツツジは昨年かなりバッサリと切られてしまったので、再び花に囲まれるのはもう少し先になるのでしょうが、楽しみです。
富岡第二中学校
今回は、宝泉寺にも行ってみたのですが、枝垂れ桜は既に見頃を過ぎていました。
今年も夜ノ森の桜を見る事ができました。
少し葉が出ているので、満開になったのはほんの数日前という事だったのでしょう。
これだけ暖かく、今日は風がちょっと強め。週末くらいが見納めになるでしょうか。
明日の6日からライトアップが行われ、次の週末の14、15日は『富岡町桜まつり2018』が行われます。
葉桜のお祭りとなりそうですが、現在も避難している方々もきっと楽しみにして、多く来られる事でしょう。
そしてこの春からは、小中学校が7年ぶりに再開。
生徒数は少なく、この先「なぜ帰町する事にしたのか」と親を責める事もあるのかもしれません。
でも、どこの誰よりも経験した事のないものを持っている事を自慢に思ってたっていいじゃないか、と考えてます。
もちろん、辛い記憶です。
でも、なくなるものばかりじゃない。
いつか迷った時に大人が助けてあげられるようにしていれば良いのです。
2018.4.5(木)
(了)
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